MSD、新型コロナウイルス感染症に対する経口治療薬として開発中のmolnupiravirの 国際共同第3相試験MOVe-OUT(Part 2)の開始について
June 17, 2021 12:00 am ET
報道関係各位
MSD株式会社
MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下「MSD」)は、このほど新型コロナウイルス感染症に対する1日2回投与の経口抗ウイルス薬として開発中のmolnupiravirの日本国内での第3相試験MOVe-OUT(Part 2)を開始しましたので、お知らせします。
第3相試験MOVe-OUT(Part 2)は、新型コロナウイルス感染症の確定診断を受け、初期症状を示す外来患者に対しmolnupiravir 800 mgを1日2回、5日間投与するプラセボ対照の国際共同試験です。molnupiravirの開発はRidgeback Biotherapeuticsと共同で進めています。
当社、代表取締役上級副社長、グローバル研究開発本部長の白沢博満は、「これまでの良好なデータに基づき第3相試験MOVe-OUT試験(Part 2)に被験者組み入れを日本でも開始できることをうれしく思います。molnupiravirは自宅で服用可能な経口の治療薬として新型コロナウイルス感染症初期の患者さんへの貢献が期待されます。被験者の組み入れと、この新たな試験段階でのデータの収集に努めてまいります」と述べています。
被験者組み入れ開始の判断は、外来患者を対象とする第2相試験MOVe-OUT(Part1)のデータの中間解析において、molnupiravir治療群全体で入院や死亡に至った患者の割合がプラセボ群より低かったことに基づいて行われました。
第3相試験MOVe-OUT(Part 2)の最終データは2021年9月もしくは10月に得られる見込みです。MOVe-OUT試験で良好な結果が得られた場合、米国におけるmolnupiravirの緊急使用許可の申請は最も早くて2021年後半になると見込んでいます。MSDとRidgeback Biotherapeuticsは、現在進めているmolnupiravirの開発プログラムの新たなデータが整い次第、規制当局に提出していく計画です。本試験の第3相試験部分の登録対象となるのは、18歳以上で過去5日以内に新型コロナウイルス感染症を引き起こすウイルスの陽性が検査で確認され、重症化のリスク因子が1つ以上あり、発熱、咳、味覚または嗅覚の消失など新型コロナウイルス感染症の徴候や症状が1つ以上あり、入院しておらず、入院の予定もない患者です。更なる情報と被験者組み入れについては、https://msdcovidresearch.com/をご覧ください。
MOVe-OUT試験について
MOVe-OUT試験(MK-4482-002試験)は、無作為化前5日以内に発症し、検査により新型コロナウイルス感染症が確認された18歳以上の外来患者にmolnupiravirを経口投与する無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同第2/3相試験です。この試験では総計1,850名の軽度から中等度の新型コロナウイルス感染症患者を組み入れます。この試験の第3相試験部分では1,550名の患者を、molnupiravir(800 mg)またはプラセボを1日2回、5日間にわたり投与する群に1:1の比で割り付けます。molnupiravirの有効性の主要評価項目では、無作為化から29日目までに入院または死亡に至った患者の割合をmolnupiravirとプラセボで比較します。
試験の詳細はclinicaltrials.gov(NCT04575597)をご覧ください。
molnupiravirについて
molnupiravir(EIDD-2801/MK-4482)は経口投与が可能なリボヌクレオシドアナログの治験薬で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2を含む様々なRNAウイルスの複製を阻害します。molnupiravirはSARS-CoV-2の予防投与、治療、感染防止などのいくつかの前臨床モデル、またSARS-CoV-1、MERSに対する活性が認められています。molnupiravirはエモリー大学が100%出資する非営利バイオテクノロジー企業のDrug Innovations at Emory (DRIVE), LLCで発明されました。
以上
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、ウェブサイト( www.msd.co.jp )や Facebook、 Twitter、 YouTube をご参照ください。