高リスク早期TNBCに対する術前のKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と化学療法の併用療法とそれに続く術後のKEYTRUDA®単独療法において、術前化学補助療法と比較して無イベント生存期間(EFS)が統計学的有意に改善 KEYNOTE-522試験、第3相試験として初めてがん免疫療法が高リスクの早期トリプルネガティブ乳がんにおける良好なEFSを達成 KEYNOTE-522試験のデータを米国FDAに提出済み

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July 26, 2021 12:00 am ET

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Chemotherapy Before Surgery and Continued as a Single Agent After Surgery Showed Statistically Significant Event-Free Survival (EFS) Result Versus Neoadjuvant Chemotherapy Alone in High-Risk Early-Stage TNBC の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。   注) 条件付き早期承認対象


参考資料

高リスク早期TNBCに対する術前のKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と
化学療法の併用療法とそれに続く術後のKEYTRUDA®単独療法において、
術前化学補助療法と比較して無イベント生存期間(EFS)が統計学的有意に改善

KEYNOTE-522試験、第3相試験として初めてがん免疫療法が
高リスクの早期トリプルネガティブ乳がんにおける良好なEFSを達成

KEYNOTE-522試験のデータを米国FDAに提出済み

2021年7月15日 ニュージャージー州ケニルワース ― Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、術前・術後補助療法を評価する第3相KEYNOTE-522試験における無イベント生存期間(EFS)の良好なデータを発表しました。この試験では高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象とし、抗PD-1抗体KEYTRUDA®と化学療法を併用する術前補助療法と、それに続くKEYTRUDA®単独の術後補助療法(KEYTRUDA®レジメン)を、化学療法による術前補助療法と、それに続くプラセボによる術後補助療法(化学療法+プラセボレジメン)と比較しました。同対象患者に対する術前・術後補助療法で、抗PD-1/L1抗体が統計学的に有意なEFSを示したのは初となります。この結果は本日、オンライン開催される欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のプレリミナリーセッションで発表されました。

追跡期間の中央値39カ月の後、KEYTRUDA®レジメンではEFSイベントのリスクが化学療法+プラセボレジメンと比較して37%低減し(HR=0.63 [95% CI, 0.48-0.82]; p=0.00031)、統計学的に有意で臨床的に意味のあるEFSを達成しました。EFSは、無作為割り付け時から、根治的手術ができない疾患進行、局所再発・遠隔転移、新たながんの発生、原因を問わない死亡までの時間と定義されました。KEYNOTE-522試験では、2つの主要評価項目の一つである病理学的完全奏効(pCR)を初の中間解析で達成したことを既に発表しています。この試験では引き続き主な副次評価項目である全生存期間(OS)のフォローアップを実施します。今回4回目となる中間解析では、死亡リスクについては統計学上の有意性を達成できなかったものの、KEYTRUDA®レジメンでは化学療法+プラセボレジメンと比較してリスクが28%低減しました(HR=0.72 [95% CI, 0.51-1.02]; p=0.03214)。KEYTRUDA®レジメンの安全性プロファイルは各レジメンのこれまでのプロファイルと一貫しており、新たな安全性の懸念は認められませんでした。

英国ロンドンにあるBarts Cancer InstituteのCentre for Experimental Cancer Medicine責任者であるPeter Schmid博士は、「高リスクの早期TNBCは、診断から5年以内の再発率が高く、新たな治療の選択肢が求められています。KEYNOTE-522試験はKEYTRUDA®による術前・術後補助療法併用レジメンによる、がんの早期治療の可能性を評価するものです。3年以上の追跡により、期待できる結果が得られています。無イベント生存期間のデータは患者さんにとって心強いものであり、KEYTRUDA®と化学療法による術前補助療法とそれに続くKEYTRUDA®単独の術後補助療法が、特に進行の速い高リスクの早期TNBCの新たな治療の選択肢となる可能性があります」と述べています。

当社研究開発本部の臨床研究担当バイスプレジデントであるVicki Goodman博士は、「TNBCに対する無イベント生存期間のデータに高い期待が寄せられていましたが、今回このデータがKEYNOTE-522試験のこれまでの結果に加わり、対象患者さんにKEYTRUDA®を使用できる可能性がさらに示されました。KEYNOTE-522試験は、ステージ2およびステージ3のTNBC患者さんにおける統計学的に有意で臨床的に意味のあるEFSが示された初の大規模な無作為化第3相試験です。当社はこのデータを既にFDAに提出しており、審査の過程において緊密に連携しています」と述べています。

KEYTRUDA®は現在、FDAの承認する検査で腫瘍にPD-L1発現の認められる(CPS(Combined Positive Score)≧10)、切除不能の局所再発または転移性TNBCを適応症として、化学療法との併用療法が米国で迅速承認されています。

当社は、KEYTRUDA®その他の治験薬や承認されている医薬品を複数の婦人科がんや乳がんにおいて評価する広範な臨床開発プログラムにより、女性のがんの幅広いポートフォリオを迅速に進めています。KEYTRUDA®のTNBCにおける臨床開発プログラムでは、現在進行しているKEYNOTE-242試験やKEYNOTE-355試験を含め、様々な社内試験や社外と連携した試験を実施しています。

 

KEYNOTE-522試験のデザインおよびその他のデータ

KEYNOTE-522は無作為化二重盲検第3相試験です(ClinicalTrials.gov, NCT03036488)。主要評価項目はpCR(根治的手術時の病理学的ステージがypT0/Tis ypN0)およびEFS(無作為割り付けした全患者における、無作為割り付け時から、根治的手術不能の疾患進行、局所再発・遠隔転移、新たながんの発生、原因を問わない死亡までの期間)です。副次評価項目は、主要評価項目とは異なる定義によるpCR率、無作為割り付けした全患者のOS、全定義によるpCR率、PD-L1陽性(CPS ≧1)患者におけるEFSとOS、健康関連QoL評価などです。この試験では1,174名の被験者を次のいずれかに2:1の割合で無作為に割り付けました。

  • KEYTRUDA®レジメン:術前補助療法としてKEYTRUDA®(3週間毎)+パクリタキセル(週1回)およびカルボプラチン(週1回または3週間毎)を4サイクル投与後、KEYTRUDA®+シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン(3週間毎)を4サイクル投与し、術後補助療法としてKEYTRUDA®(3週間毎)を9サイクル投与(784例)
  • 化学療法+プラセボレジメン:術前補助療法としてプラセボ(3週間毎)+パクリタキセル(週1回)およびカルボプラチン(週1回または3週間毎)を4サイクル投与後、プラセボ+シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン(3週間毎)を4サイクル投与し、術後補助療法としてプラセボ(3週間毎)を9サイクル投与(390例)

既に報告されている通り、KEYNOTE-522試験は初回の中間解析で主要評価項目の1つであるpCRについて基準を達成しました。pCRはKEYTRUDA®+化学療法群の64.8%(401例)に認められ、プラセボ+化学療法群の51.2%(201例)より13.6%高くなりました(p=0.00055)。KEYNOTE-522試験の4回目の中間解析では、もう一つの主要評価項目であるEFSを達成しました。この試験では引き続きOSのさらなるフォローアップを実施します。

3年の時点において、EFSイベントなく生存していた患者はKEYTRUDA®群では84.5%、化学療法+プラセボ群では76.8%でした。

事前に設定されたEFSの探索的サブグループ解析では、KEYTRUDA®群でPD-L1発現にかかわらず良好なEFSが認められました。PD-L1陽性(CPS ≧1)のサブグループ(973例)において、KEYTRUDA®群ではEFSイベントのリスクが化学療法+プラセボ群と比較して33%低減しました(HR=0.67 [95% CI, 0.49-0.92])。PD-L1陰性(CPS <1)のサブグループ(197例)において、KEYTRUDA®群ではEFSイベントのリスクが化学療法+プラセボ群と比較して52%低減しました(HR=0.48 [95% CI, 0.28-0.85])。

pCRを得た患者と得られなかった患者でEFSを評価する、事前に設定された非無作為化探索的解析では、KEYTRUDA®レジメンによるEFSイベントの減少は、根治的手術時にpCRが得られたかどうかにかかわらず認められました。

治療関連有害事象は、術前補助療法期、術後補助療法期、術前・術後補助療法期を通した期間で評価しました。術前補助療法期における治療関連有害事象は既に報告されています。データカットオフ日において、プロトコル治療を受けている患者はありませんでした。術前・術後補助療法期の治療関連有害事象は、KEYTRUDA®群の98.9%(783例)、化学療法+プラセボ群の99.7%(389例)に認められました。グレード3〜5の治療関連有害事象はそれぞれ77.1%、73.3%の患者に認められました。死亡に至った治療関連有害事象はKEYTRUDA®群では0.5%(4例)、化学療法+プラセボ群では0.3%(1例)でした。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。術後補助療法期の治療関連有害事象は、KEYTRUDA®群の53.7%(588例)、プラセボ群の48.6%(331例)に認められました。このうちグレード3以上の治療関連有害事象はそれぞれ6.3%、2.7%でした。

術前・術後補助療法期の全グレードの免疫関連有害事象およびinfusion reactions(点適時の過敏症反応)はKEYTRUDA®群では43.6%、化学療法+プラセボ群では21.9%でした。このうち最も高頻度(10%以上の患者)に認められたのはKEYTRUDA®群ではinfusion reactions(18.0%)と甲状腺機能低下症(15.1%)で、化学療法+プラセボ群ではinfusion reactions(11.6%)でした。死亡に至った免疫関連有害事象はKEYTRUDA®群では0.3%(2例)で、化学療法+プラセボ群では0例でした。術後補助療法期における免疫関連有害事象とinfusion reactionsは、KEYTRUDA®群では10.2%、プラセボ群では6.0%で、このうちグレード3以上のイベントはそれぞれ2.9%、0.3%でした。

 

トリプルネガティブ乳がん(TNBC)について

TNBCは診断から5年以内の再発率が高く、進行の速い乳がんです。乳がんにはエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体のいずれかが陽性を示す、またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2)が過剰発現しているタイプがありますが、TNBCではいずれも陰性となります。乳がん患者の約15〜20%がTNBCと診断されています。TNBCは40歳以下の女性、アフリカ系アメリカ人女性、BRCA1遺伝子変異を有する女性に多いとされています。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するT リンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,400を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-chemotherapy-before-surgery-and-continued-as-a-single-agent-after-surgery-showed-statistically-significant-event-free-survival-efs-result-versus-neoadjuvant-chemo/

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2020年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook Twitter YouTube をご参照ください。

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