高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者を対象とした第3相試験KEYNOTE-522で2つの主要評価項目のうち無イベント生存期間(EFS)を達成 術前のKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と化学療法の併用療法とそれに続く術後のKEYTRUDA®単独療法において術前化学療法と比較してEFSが統計学的有意に改善 KEYTRUDA®、TNBCに対する術前・術後補助療法としてEFSが統計学的有意に改善した初の抗PD-1抗体に
May 21, 2021 12:00 am ET
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、Merck Announces Phase 3 KEYNOTE-522 Trial Met Dual Primary Endpoint of Event-Free Survival (EFS) in Patients With High-Risk Early-Stage Triple-Negative Breast Cancer (TNBC) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。
参考資料
高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者を対象とした
第3相試験KEYNOTE-522で
2つの主要評価項目のうち無イベント生存期間(EFS)を達成
術前のKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と化学療法の併用療法と
それに続く術後のKEYTRUDA®単独療法において、
術前化学療法と比較してEFSが統計学的有意に改善
KEYTRUDA®、TNBCに対する術前・術後補助療法として
EFSが統計学的有意に改善した初の抗PD-1抗体に
2021年5月13日 ニュージャージー州ケニルワース―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、抗PD-1抗体KEYTRUDA®と化学療法の術前併用療法と、それに続くKEYTRUDA®の術後単独療法を評価する第3相試験KEYNOTE-522の良好な結果を公表しました。KEYNOTE-522試験では、高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の治療において2つの主要評価項目の一つである無イベント生存期間(EFS)を達成しました。独立データ監視委員会(DMC)の中間解析により、KEYTRUDA®と化学療法の術前の併用療法とそれに続くKEYTRUDA®単独の術後補助療法では、術前化学療法のみの場合と比較して統計学的に有意で臨床的に意味のあるEFSの改善が認められました。KEYNOTE-522試験のもう一つの主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)を達成したことは、すでに公表されています。この試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。
当社研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「KEYTRUDA®は免疫療法として初めて、進行が特に速い乳がんであるTNBCの高リスク早期患者における無イベント生存期間の良好な結果が認められました。試験の初期データで、術前療法後の病理学的完全奏効率の改善が認められ、このたび、4年が経過してデータが成熟し、無イベント生存期間も統計学的有意に改善したため、当社はこの新たな治療オプションを患者さんに一日も早く提供できるよう、FDAをはじめ世界の規制当局と協業してまいります。試験に参加してくださる患者さんがあってはじめて当社はTNBC患者さんに対するさらなる治療の選択肢の開発を進めることができ、参加してくださった患者さんに感謝しています」と述べています。
KEYNOTE-522試験のpCRの解析結果は2019年欧州臨床腫瘍会議(ESMO)で発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌にも掲載されました。このデータではPD-L1の発現にかかわらず、早期TNBCに対する術前補助療法として、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法では化学療法のみと比較して統計学的有意なpCRの改善が認められました。当社は、このpCRのデータおよびEFSの早期中間結果に基づいて提出した、高リスク早期TNBC患者に対するKEYTRUDA®の生物製剤追加承認申請(sBLA: supplemental Biologics License Application)について、2021年3月にFDAから審査完了通知(CRL: Complete Response Letter)を受理したことをすでに発表しています。この通知は、FDAの抗がん剤諮問委員会(Oncologic Drugs Advisory Committee)の会合で、KEYNOTE-522試験のデータがさらに明らかになるまで承認の判断を待つことが全会一致で了承されたことを受けたものです。
KEYTRUDA®のTNBCにおける臨床開発プログラムでは、現在進めているKEYNOTE-242試験やKEYNOTE-355試験など、数件の社内試験および社外と連携した試験を実施しています。
当社はKEYTRUDA®の広範な臨床開発プログラムにおいて、術前・術後補助療法や局所進行性疾患などを対象に、早期段階の治療に対する試験を進めており、約20件の承認申請に向けた試験を実施しています。
KEYNOTE-522試験について
KEYNOTE-522試験は、TNBC患者を対象とし、KEYTRUDA®と化学療法の併用による術前補助療法と、それに続くKEYTRUDA®単独の術後補助療法を、術前化学療法とそれに続くプラセボによる術後補助療法と比較する、無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03036488)です。主要評価項目はpCRとEFSです。副次評価項目は、根治的手術時におけるpCR率(主要評価項目のpCRとは異なる定義で評価:乳房とリンパ節に、侵襲性、非侵襲性の残存腫瘍がないこと)、全生存期間、PD-L1発現患者(Combined Positive Score [CPS]≧1)のEFS、安全性および患者報告アウトカムです。この試験では登録患者1,174名を次のいずれかに2:1の割合で無作為に割り付けました。
- 術前補助療法としてKEYTRUDA®(3週間ごと)+パクリタキセル(週1回)およびカルボプラチン(週1回または3週間ごと)を4サイクル投与後、KEYTRUDA®+シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン(3週間ごと)を4サイクル投与し、術後補助療法としてKEYTRUDA®(3週間ごと)を9サイクル投与
- 術前補助療法としてプラセボ(3週間ごと)+パクリタキセル(週1回)およびカルボプラチン(週1回または3週間ごと)を4サイクル投与後、プラセボ+シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン(3週間ごと)を4サイクル投与し、術後補助療法としてプラセボ(3週間ごと)を9サイクル投与
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)について
TNBCは診断から5年以内の再発率が高く、進行の速い乳がんです。乳がんにはエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体のいずれかが陽性を示す、またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2)が過剰発現しているタイプがありますが、TNBCではいずれも陰性となります。乳がん患者の約15〜20%がTNBCと診断されています。TNBCは40歳以下の女性、アフリカ系アメリカ人女性、BRCA1遺伝子変異を有する女性に多いとされています。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するT リンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,400を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について
用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、当社ウェブサイトやTwitter、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2020年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
# # #
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook、 Twitter、 YouTube をご参照ください。