経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤ベルズチファン根治切除不能又は転移性の腎細胞がん(RCC)の治療薬として承認を申請

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July 22, 2024 3:00 pm ET

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤ベルズチファンについて、根治切除不能又は転移性の腎細胞がん(RCC)の治療薬として、製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。

腎細胞がんは腎臓がんのうち最も多くみられる種類のがんで、腎臓がんの約9割を占めています*1。2019年には約21,000人が新たに腎臓がん(腎盂がん除く)と診断され*2、男性は女性の約2倍の頻度で発症するとされています。腎細胞がんは初期では自覚症状がほとんどないため、小さいうちに発見できるのは健康診断や他の病気が疑われたために行う検査などで偶然発見されるものがほとんどです。がんが進行した場合、血尿や背中の痛み、腹部のしこりなどの症状が現れます*3。手術でがんを切除することが難しい場合は、薬物療法を行うこともあり、淡明細胞型の腎細胞がんでは主に免疫チェックポイント阻害剤(PD-1またはPD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤)や分子標的薬(VEGFR-TKI)を用います*4。しかしながら、それらによる治療後に進行した患者さんに対し、臨床試験で有効性、安全性が検証された治療方法が無かったことから、新たな選択肢が求められていました。

今回の申請は、PD-1またはPD-L1阻害剤とVEGFR-TKIを逐次または同時に用いた治療後に進行した切除不能な局所進行または転移性の淡明細胞型RCC患者さん746名を対象とした、無作為化非盲検実薬対照第3相試験LITESPARK-005のデータに基づいています。同試験において、ベルズチファンは、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)について、対照薬であるエベロリムスに対して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示しました。なお、同試験におけるべルズチファンの安全性プロファイルは、前相の試験で報告されたものと一貫していました。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進めてまいります。

ベルズチファンについて

ベルズチファンは、経口投与可能なファーストインクラスの低分子HIF-2α 阻害剤です。がん細胞においてVHL蛋白質の機能が喪失している状態において、ベルズチファンは、HIF-2α と HIF-1β のヘテロ二量体形成を選択的に阻害します。その結果、血管新生、増殖および腫瘍代謝に関連する低酸素下で誘導される遺伝子の転写を阻害することで抗腫瘍効果を示します。また、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病を対象とした臨床試験が進行中です。

*1NCCN clinical practice guidelines in oncology: kidney cancer, version 1.2022; National Comprehensive Cancer Network (NCCN); 2021.
*2国立がん研究センターがん情報サービス「腎臓がん(腎細胞がん)患者数(がん統計)」
*3国立がん研究センターがん情報サービス「腎臓がん(腎細胞がん)について」
*4日本泌尿器科学会 編. 腎癌診療ガイドライン2017年版. メディカルレビュー社, 2017. 2022年update.(2022年4月)

以上


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

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