抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」、腎細胞癌に対する初めての術後補助療法としての承認を取得

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August 24, 2022 12:00 am ET

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、以下に関する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得しましたのでお知らせいたします。

- 腎細胞癌における術後補助療法としての適応拡大

 

腎細胞癌における術後補助療法としての適応拡大について

腎細胞がんは腎がんのうち最も多くみられる種類のがんで、腎がんの約9割を占めています1。国内の腎がん患者数は年々増加しており2、2020年には25,000人以上が新たに診断され、8,000人以上が亡くなられたと推定されています3

今回の承認は、腎摘除術又は腎部分切除術後の再発リスクが高い4淡明細胞型腎細胞癌患者994例(日本人59例を含む)を対象とし、術後補助療法としてキイトルーダ®を評価する国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験(KEYNOTE-564試験)の結果に基づいています。同試験において、キイトルーダ®は、主要評価項目である無病生存期間(DFS:Disease Free Survival)をプラセボと比較して統計学的に有意に改善しました(HR=0.68 [95% CI, 0.53-0.87]; p=0.0010)。キイトルーダ®群における副作用は386/488例(79.1%)に認められました。主な副作用(発現率10%以上)は、疲労99例(20.3%)、そう痒症91例(18.6%)、甲状腺機能低下症86例(17.6%)、下痢77例(15.8%)、発疹73例(15.0%)、甲状腺機能亢進症50例(10.2%)でした。重篤な副作用は59例(12.1%)に認められ、発現率1%以上の重篤な副作用は副腎機能不全6例(1.2%)、大腸炎、糖尿病性ケトアシドーシス各5例(1.0%)でした。副作用による投与中止は86例(17.6%)に認められ、発現率1%以上の投与中止に至った副作用はアラニンアミノトランスフェラーゼ増加8例(1.6%)、副腎機能不全、大腸炎各5例(1.0%)でした。本試験において副作用による死亡は認められませんでした。

 

キイトルーダ®について

キイトルーダ®は、PD-1に対するヒト化モノクローナル抗体であり、活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞上のPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することで、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害します。その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に、再活性化され、がん細胞を排除できるようになります。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「根治切除不能な進行・再発の食道癌」「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」の効能又は効果について承認を取得しています。また、前立腺がん、胃がん、肝細胞がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

注) 条件付き早期承認対象

 

1: NCCN clinical practice guidelines in oncology: kidney cancer, version 1.2022; National Comprehensive Cancer Network (NCCN); 2021.

2: 国立がん研究センター がん情報サービス がん種別統計情報 腎・尿路(膀胱除く)年次推移

3: International Agency for Research on Cancer, World Health Organization. “Japan Fact Sheet.” Cancer Today, 2020.

4: 以下の(ⅰ)又は(ⅱ)の患者が組み入れられた。

(ⅰ)術後の病理組織学的診断により下記のいずれかに該当する患者(GradeはFuhrman分類)

  • pT2、Grade 4又は肉腫様変化を伴う、N0かつM0
  • pT3/4、Grade問わず、N0かつM0
  • pT問わず、Grade問わず、N1かつM0

(ⅱ)M1 no evidence of disease(M1 NED)であり、原発巣及び遠隔転移巣ともに、腎摘除術時点又は腎摘除術後1年以内のいずれかの時点で完全切除可能であった患者

以上

 

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

参考資料
抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」

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