新型コロナウイルス感染症(COVID-19)経口治療薬 「ラゲブリオ®カプセル200mg」薬価基準収載のお知らせ

Save as PDF

August 18, 2022 12:00 am ET

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、「ラゲブリオ®カプセル200mg」(一般名:モルヌピラビル、以下 ラゲブリオ®)が、本日付で薬価基準に収載されたことをお知らせします。

ラゲブリオ®は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する国内初の経口抗ウイルス剤として、2021年12月24日に特例承認されました。承認時点では本剤の供給量は限られていたため一般流通は行わず、日本政府が本剤を所有したうえで、流通および投与対象者に制限をかけて配分が行なわれてきました。具体的には、本剤の納入を希望する医療機関や薬局は、「ラゲブリオ®登録センター」に登録を行い、規定の数量範囲内で注文するというプロセスです。このようななか、MSDでは、工場の生産能力や稼働率を最大化し、政府と契約した160万人分を予定より前倒しで供給するとともに、日本中の必要な患者さんに本剤をより早くお届けできるよう、早期の一般流通を目指して準備を進めてまいりました。このたび、一般流通の見通しが立ったことから薬価基準収載の申請を行い、本日、収載に至りました。なお、薬価基準収載品については、準備ができ次第、一般流通を開始する予定です。これにより、医療機関や薬局においては、登録作業等の負担が軽減され、必要な数量の本剤を確保することができ、通常の処方が可能になると期待されます。

MSDの代表取締役社長カイル・タトルは、次のように述べています。「新型コロナウイルス流行の“第7波”が急速に拡大する中、ラゲブリオ®が薬価基準に収載され、一般流通を開始できることを大変喜ばしく思います。一般流通開始後は、医療機関や薬局においては、必要な数量のラゲブリオ®を確保することができ、医師が適切と判断する患者さんにできるだけ早いタイミングで処方することが可能になります。現在、既存のオミクロン株と比較してより感染力の強いBA.4系統およびBA.5系統への置き換わりが進み、国内の感染者数は急激に増加しています。7月20日にニューイングランド・ジャナ―ル・オブ・メディスンで発表されたように、非臨床薬理試験においてラゲブリオ®はBA.2、BA.4、BA.5にも有効であることが報告されています。医療現場が日々対応に追われる中、必要とする患者さんにラゲブリオ®が適切に使用されることで、患者さんの早期回復と医療現場の負担軽減に貢献できるものと考えます。」

また、昭和大学病院 病院長の相良博典先生は、次のように述べています。

「国内の新規陽性者数が高い水準で推移し、医療提供体制がひっ迫し深刻な状況にある中、医療従事者は力を合わせて一人ひとりの患者さんの対応にあたっています。そのような中で、本日、ラゲブリオ®が薬価収載され、まもなく一般流通となることで、本剤をより迅速に患者さんに処方できるようになることを大変心強く思います。」

ラゲブリオ®は昨年12月の特例承認以降、日本の臨床現場で38万人以上*の患者さんに投与され、オミクロン株流行下での使用実績も確立されています。また、6カ月間の市販直後調査が終了し、現在進行中の特定使用成績調査における安全性、有効性の中間データも近日中に公表予定です。MSDは、人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもと、ラゲブリオ®を日本全国の患者さんに迅速にお届けできるよう、引き続き取り組んでまいります。

*第94回(令和4年8月10日)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード

 参考資料2 中和抗体薬及び経口薬について

 

ラゲブリオ®について

ラゲブリオ®(モルヌピラビル)は経口投与のヌクレオシドアナログの薬剤で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2の増殖を阻害します。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgebackの「オレンジ色のコロナの飲み薬」はスウェーデンオレンジ色の不透明のカプセルにMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAのロゴと82が白インクで印字されており、一部の市場ではラゲブリオ®の名称で提供されています。

第3相MOVe-OUTの結果では、ラゲブリオ®の効果に関するベネフィットは、懸念されるSARS-CoV-2変異株、デルタ株、ガンマ株、ミュー株に感染した患者において概ね一貫していました。非臨床試験のデータでは、ラゲブリオ®には変異株であるオミクロン株(B1.1.529)に対する抗ウイルス活性があることが示されています。臨床試験においてはラゲブリオ®のオミクロン株に対する評価はまだ実施されていません。

モルヌピラビルはエモリー大学で発明されました。国際的な懸念のあるウイルス性疾患に対する候補薬の初期段階の開発を進めるためエモリー大学が設立したDrug Innovation Ventures at Emory (DRIVE), LLCがモルヌピラビルの開発を進め、臨床試験実施申請(IND)に至りました。エモリー大学/DRIVEは米国国防総省および国立衛生研究所の研究助成金を受けています。現在、ラゲブリオ®の開発はMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgeback Biotherapeuticsが共同で進めています。RidgebackはMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAから一時金の支払いを受けており、さらに一定の開発および承認取得のマイルストンの達成に基づく支払いを受ける権利があります。この連携から生じる利益は全額、両社で均等に分割されます。Ridgebackによるライセンス供与以降、ラゲブリオ®の開発資金はMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgebackが全額提供しています。

ラゲブリオ®は、無作為化プラセボ対照二重盲検国際多施設共同第3相MOVe-OUT試験において、検査により陽性と判定され、重症化のリスク因子を1つ以上有する、入院していない、症状のある軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症成人患者を対象として評価が行われました。MOVe-OUT試験の第3相試験部分は、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エジプト、フランス、ドイツ、グアテマラ、イスラエル、イタリア、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、ウクライナ、英国、米国など世界各国の170以上の施設で実施されました。MOVe-OUT試験の詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。モルヌピラビルは、曝露後予防として、家庭内における新型コロナウイルスの拡大を防止する効果と安全性を評価する二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験のMOVe-AHEADも実施されています。詳しくは、http://merckcovidresearch.comをご覧ください。

 

以上

 

<参考資料>

製品概要

 

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、 YouTubeをご参照ください。

Unsubscribe from email alerts