Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA、第3相KEYLYNK−001試験で主要評価項目である進行上皮性卵巣がん患者さんの無増悪生存期間(PFS)の達成を発表

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2025/01/06 15:00 JST

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、 Merck Announces Phase 3 KEYLYNK-001 Trial Met Primary Endpoint of Progression-Free Survival (PFS) in Patients With Advanced Epithelial Ovarian Cancer (https://www.merck.com/news/merck-announces-phase-3-keylynk-001-trial-met-primary-endpoint-of-progression-free-survival-pfs-in-patients-with-advanced-epithelial-ovarian-cancer/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、非小細胞肺癌における術前・術後補助療法、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、局所進行子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、治癒切除不能な進行・再発の胃癌、治癒切除不能な胆道癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA、第3相KEYLYNK−001試験で
主要評価項目である進行上皮性卵巣がん患者さんの無増悪生存期間(PFS)の達成を発表

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)+化学療法と、その後のLYNPARZA®(オラパリブ)による
維持療法群(±ベバシズマブ)は、化学療法単独群と比較して
PFSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善が認められた

副次評価項目の全生存期間は未達

2024年12月9日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、BRCA遺伝子変異陰性の進行上皮性卵巣がんの一次治療として、KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)+化学療法と、それに続くLYNPARZA®(オラパリブ)による維持療法群(±ベバシズマブ)(以下、KEYTRUDA®+LYNPARZA®群)を評価する第3相KEYLYNK−001試験において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の改善を達成したことを発表しました。独立データモニタリング委員会が実施した最終解析において、KEYTRUDA®+LYNPARZA®群では化学療法単独群と比較して、対象患者さんのPFSに統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善が認められました。

この試験では副次評価項目の全生存期間(OS)は未達でした。ITT解析対象集団におけるKEYTRUDA®の役割については現段階ではまだ明らかではありません。この試験におけるKEYTRUDA®とLYNPARZA®の安全性プロファイルは、各薬剤でこれまで報告されている試験の結果と一貫していました。この結果は今後の医学学会で発表するとともに、規制当局と協議を進めます。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGursel Aktan(ガーセル・アクタン)博士は、「卵巣がん患者さんにとって、治療成績を改善できる可能性のある新たな治療選択肢のアンメットニーズが今も存在しています。KEYLYNK-001試験は、KEYTRUDA®+LYNPARZA®で良好な結果が得られた初めての第3相試験であり、婦人科がんの世界的な影響に対処する研究への当社の取り組みを示すものです」と述べています。

米国では、LYNPARZA®は卵巣がんにおいて、「プラチナ製剤を含む初回化学療法に対して完全奏効又は部分奏効を示し、病的変異又は病的変異が疑われる生殖細胞系列又は体細胞系列BRCA遺伝子変異(gBRCAm又はsBRCAm)を有する進行上皮性卵巣癌、卵管癌、又は原発性腹膜癌の成人患者の維持療法」、「プラチナ製剤を含む初回化学療法に対して完全奏効又は部分奏効を示し、かつ相同組換え修復欠損(HRD)陽性の状態、すなわち病的変異又は病的変異が疑われるBRCA遺伝子変異及び/又はゲノム不安定性を有する進行上皮性卵巣癌、卵管癌、又は原発性腹膜癌の成人患者のベバシズマブ併用による維持療法」、「プラチナ製剤を含む化学療法に対して完全奏効又は部分奏効を示し、病的変異又は病的変異が疑われるgBRCAm又はsBRCAmを有する再発上皮性卵巣癌、卵管癌、又は原発性腹膜癌の成人患者の維持療法」の3件の承認を取得しています。いずれの適応症においても、治療の対象となる患者さんは、FDAにより承認されたLYNPARZA®のコンパニオン診断に基づき選択されます。

KEYTRUDA®は卵巣がんの治療薬として承認されていません。米国におけるKEYTRUDA®の効能・効果については以下をご覧ください。

KEYLYNK-001試験について

KEYLYNK-001試験は、BRCA遺伝子変異陰性の進行上皮性卵巣がんの一次治療において、KEYTRUDA®と化学療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン)の併用療法と、それに続くKEYTRUDA®とLYNPARZA®による維持療法(±ベバシズマブ)を評価する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03740165)です。主要評価項目はPD-L1陽性(CPS≧10)の患者さんおよびITT解析対象集団におけるPFSです。副次評価項目はOSや安全性等です。この試験では1,367名の登録患者さんを次のいずれかに無作為に割り付けました。

  1. KEYTRUDA®(200 mgを静脈内投与)+化学療法を3週間間隔で5サイクル、その後KEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で最大約2年間静脈内投与)およびLYNPARZA®(300 mgを1日2回経口投与)
  2. KEYTRUDA®(200 mgを静脈内投与)+化学療法を3週間間隔で5サイクル、その後、KEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で最大約2年間静脈内投与)およびプラセボ(1日2回経口投与)
  3. 化学療法+プラセボ

重度の過敏性反応または有害事象によりパクリタキセルの投与中止が必要となった場合は、ドセタキセル+カルボプラチンでの投与が可能です。また、治験担当医師の判断でベバシズマブの投与も可能です。

卵巣がんについて

卵巣がんの多くは卵管または卵巣の表面に発生します。世界で2番目に多い婦人科腫瘍であり、女性において7番目に多いがんです。2022年には世界中で約324,603人が卵巣がんと診断され、約206,956人が死亡しました。米国では、2024年に約19,680人が卵巣がんと診断され、約12,740人が死亡すると推定されています。一次治療の主要な目的は、病勢進行をできるだけ遅らせ、長期的な寛解を達成することです。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの女性のがんに対する取り組み

当社は、一人でも多くの乳がんおよび婦人科がん(卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がん)患者さんのアウトカムを改善するため、治療の選択肢の拡大を目指して研究を進めています。女性のがんのうち、乳がんと婦人科がんはそれぞれ世界で一番目、二番目に多いがんであり、当社はこの深刻ながんに直面する患者さんに治療の選択肢を提供することを目指しています。世界中で18,000人以上を対象とする20件以上の臨床試験を実施し、女性のがんの標準治療の進歩を目指し、革新的な研究を決意を持って進めています。当社の研究の取り組みには、早期がんに対する当社の医薬品を評価する試験、その新たな作用機序や併用療法を特定する試験が含まれます。当社は、女性のがんが世界中の患者さん、ご家族、地域におよぼす影響に対処するためのポートフォリオやパイプラインの開発を進めています。

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

LYNPARZA®について

LYNPARZA®はファーストインクラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異などDNA損傷応答(DDR)経路の異常に作用することで、がん細胞を選択的に死滅させる初の標的治療薬です。LYNPARZA®によるPARP阻害は、DNA一本鎖切断に結合するPARPを捕捉し、複製フォーク停止と崩壊を惹起することで、DNA二本鎖切断を起こしがん細胞を死滅させます。LYNPARZA®はDDR経路に異常をきたした一連のPARP依存性の腫瘍タイプにおいて試験が進行中です。

アストラゼネカとMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが共同で開発と商業化を行っているLYNPARZA®は、広範な臨床試験開発プログラムを有しており、両社は、さまざまながん種にわたり、LYNPARZA®が単剤療法および他の薬剤との併用療法として様々なPARP依存性腫瘍に及ぼす影響を解明するために協業しています。抗PD-1治療薬KEYTRUDA®とLYNPARZA®との併用は、当社が単独で開発しています。

KEYTRUDA® およびLYNPARZA®適応症・用法・用量・安全性情報について

適応症・用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/merck-announces-phase-3-keylynk-001-trial-met-primary-endpoint-of-progression-free-survival-pfs-in-patients-with-advanced-epithelial-ovarian-cancer/

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

私たちは日々、科学的知見に基づき、どのような段階のがんであっても患者さんを救うことができる革新的な新薬の発見に取り組んでいます。オンコロジーのリーディングカンパニーとして、当社は25以上の新規メカニズムからなる多様なパイプラインに支えられながら、科学的な機会と医療ニーズが集束する研究を追求しています。30以上のがん種にまたがる最大級の臨床開発プログラムにより、当社は、オンコロジーの未来を形づくる画期的なサイエンスの発展に努めています。臨床試験への参加、スクリーニング、治療に対する障壁に対処することで、私たちは緊急性をもって格差の縮小に取り組み、患者さんが質の高いがん医療を受けられるよう支援しています。私たちの揺るぎないコミットメントこそが、より多くのがん患者さんの生命を救うという目標の実現に近づくことになるのです。詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、米国および世界における医薬品業界の規制やヘルスケア関連の法制度が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、革新的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2023年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。