CAPVAXIVE™(21価肺炎球菌結合型ワクチン)、肺炎球菌感染症の罹患リスクの高い成人において良好な免疫応答を示す

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November 7, 2024 3:00 pm ET

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s CAPVAXIVE™ (Pneumococcal 21-valent Conjugate Vaccine) Demonstrates Positive Immune Responses in Adults with Increased Risk for Pneumococcal Disease (https://www.merck.com/news/mercks-capvaxive-pneumococcal-21-valent-conjugate-vaccine-demonstrates-positive-immune-responses-in-adults-with-increased-risk-for-pneumococcal-disease/ ) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

21価肺炎球菌結合型ワクチンは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

CAPVAXIVE™(21価肺炎球菌結合型ワクチン)、
肺炎球菌感染症の罹患リスクの高い成人において良好な免疫応答を示す

STRIDE-8試験の結果をIDWeekで発表
CAPVAXIVE™の実証済みの臨床プロファイルに加え、
本剤を評価する最新の第3相試験で、成人における良好な免疫応答が示される

50歳以上の成人の侵襲性肺炎球菌感染症の約84%の原因となる血清型に対応

2024年10月16日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、CAPVAXIVE™(21価肺炎球菌結合型ワクチン)の第3相STRIDE-8試験の結果を、カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されたIDWeek 2024で発表しました。この試験では、肺炎球菌ワクチン未接種で、肺炎球菌感染症の罹患リスクが高まる一定の慢性疾患を有する18〜64歳の成人に対するCAPVAXIVE™の免疫原性、安全性、忍容性を、PCV15(15価肺炎球菌結合型ワクチン)とPPSV23(23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン)を併用した場合と比較して評価しました。

STRIDE-8試験の主な結果

  1. CAPVAXIVE™は、本剤に含有される全21種類の血清型(または株)に対する免疫原性を示しました。免疫原性は接種後30日目の血清型特異的オプソニン化貪食活性(OPA)の幾何平均抗体価(GMT)(免疫原性の主要評価項目)および免疫グロブリンG(IgG)の幾何平均濃度(GMC)(免疫原性の副次評価項目)で評価しました。
  2. CAPVAXIVE™の免疫応答を接種後30日目における血清型特異的OPA GMTおよびIgG GMCで評価したところ、PCV15接種後のPPSV23の追加接種と比較して、共通の13種類の血清型については同等で、CAPVAXIVE™に固有の8種類の血清型については高くなりました。
  3. 接種部位や全身を含むワクチン関連の有害事象が認められた被験者の割合は、CAPVAXIVE™+プラセボ群ではPCV15+PPSV23群より低い数値となりました。

Emory Universityの医学・疫学・グローバルヘルス・小児科学の名誉教授で、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの科学諮問委員会委員を務めるWalter Orenstein(ウォルター・オレンスタイン)博士は、「腎臓病や糖尿病などの慢性疾患を有する成人は特に侵襲性肺炎球菌感染症にかかりやすく、重症化のリスクが高くなる可能性があります。今回のデータでは、多くの血清型に対応するCAPVAXIVE™が、侵襲性肺炎球菌感染症にかかりやすい成人における予防手段となりうることがさらに示されました」と述べています。

CAPVAXIVE™の適応:

  1. 18歳以上の成人における、肺炎球菌血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F、35Bに起因する侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎を予防する能動免疫のワクチン
  2. 18歳以上の者における、肺炎球菌血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F、35Bに起因する肺炎を予防する能動免疫のワクチン

肺炎球菌血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bによる肺炎の予防ワクチンとしての本剤の適応は、オプソニン化貪食活性(OPA)で測定した免疫応答に基づき、迅速承認されました。この適応症の承認維持の条件として、検証的試験による臨床上の効果の確認および説明が必要となる場合があります。

CAPVAXIVE™に含有される成分や、ジフテリアトキソイドに対する重度のアレルギー反応(アナフィラキシーなど)の既往歴のある人にはCAPVAXIVE™は接種できません。詳細は下記の重要な安全性情報の項をご覧ください。

当社研究開発本部ワクチン臨床研究の疾患領域責任者のMacaya Douoguih(マカヤ・ドウォーギ)博士は、「IDWeekで発表したデータは、CAPVAXIVE™の強固な臨床プロファイルに加わるものであり、侵襲性肺炎球菌感染症の罹患リスクの高い人の公平なアクセスを向上させることの重要性が示されています。侵襲性肺炎球菌感染症の罹患リスクが最も高い人に貢献する研究に注力し前進させる当社の取り組みは、今後も非常に重要です」と述べています。

STRIDE-8試験に加え、米国の成人における肺炎球菌感染症の臨床的負担と経済的負担に関する対象を絞った文献レビューの結果も発表しました。この結果では、黒人成人および教育と収入の水準が低い地方の成人で疾病負担がより高く、肺炎球菌ワクチンの接種率が低いと結論付けられています。

米国の成人において、CAPVAXIVE™の導入による健康上の影響を評価するモデリング研究のデータも発表されました。このモデリング研究では、小児用PCVワクチンを継続した場合、CAPVAXIVE™を成人に接種することで、米国では10年後のIPDの罹患率が33.9%低下すると結論づけられています。

CAPVAXIVE™の接種により、PCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)と比較して10年後の症例数が約14,000例減少することになります。

CAPVAXIVE™は、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の大半の原因となる血清型に対応しており、これらの血清型によるIPDから成人を守ることに特化して開発されました。CDCがまとめた2018〜2021年のデータによると、CAPVAXIVE™が対応する血清型は、PCV20が対応する血清型より多くの成人IPDの原因となっています。

  1. 50歳以上の成人においては、PCV20がIPDの約52%の原因血清型に対応しているのに対し、CAPVAXIVE™はIPDの約84%の原因血清型に対応しています。
  2. 65歳以上の成人においては、PCV20がIPDの約51%の原因血清型に対応しているのに対し、CAPVAXIVE™はIPDの約85%の原因血清型に対応しています。

これらの数値はCDCの疫学データに基づくものであり、各ワクチンの有効性を反映するものではありません。現在のところ、CAPVAXIVE™とPCV20の有効性を比較した試験はありません。

CAPVAXIVE™を評価する第3相試験には、STRIDE-3(NCT05425732)、STRIDE-4(NCT05464420)、STRIDE-5(NCT05526716)、STRIDE-6(NCT05420961)、STRIDE-7(NCT05393037)、STRIDE-8(NCT05696080)、STRIDE-9(NCT05633992)、STRIDE-10(NCT05569954)などがあります。

IDWeekで発表された試験結果の概要

STRIDE-8試験のデータ(アブストラクト#P-45)

STRIDE-8試験(NCT05696080)は、肺炎球菌ワクチン接種歴のない、肺炎球菌感染症の罹患リスクの高い18〜64歳の成人(糖尿病、心臓病、腎臓病、肝臓病、肺疾患の既往歴のある成人を含む)(518名)を対象として、CAPVAXIVE™の免疫応答、安全性、忍容性を評価する第3相無作為化二重盲検実薬対照比較臨床試験です。CAPVAXIVE™の免疫原性を、PCV15接種後にPPSV23を連続接種した場合と比較しました。被験者は初日にCAPVAXIVE™を1回接種し、その後8週目にプラセボを接種する群と、初日にPCV15を1回接種し、その後8週目にPPSV23を1回接種する群に3:1の割合で無作為に割り付けました。

主要評価項目は、初日および接種後30日目(CAPVAXIVE™+プラセボは接種後30日目、PCV15+PPSV23は12週目)の血清型特異的OPA GMTおよびIgG GMCなどでした。安全性は、有害事象の認められた被験者の割合で評価しました。結果は以下のとおりです。

  1. CAPVAXIVE™は、本剤に含まれる全21種類の血清型に対する免疫原性を示しました。免疫原性は接種後30日目のOPA GMTおよびIgG GMCで評価しました。
  2. CAPVAXIVE™の免疫応答を接種後30日目における血清型特異的OPA GMTおよびIgG GMCで評価したところ、PCV15+PPSV23と比較して、共通の13種類の血清型(3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、17F、19A、20A、22F、33F)については同等で、CAPVAXIVE™に固有の8種類の血清型(15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)については高くなりました。
  3. 接種部位、全身を含むワクチン関連の有害事象が認められた被験者の割合は、CAPVAXIVE™+プラセボ群ではPCV15+PPSV23群より低い数値となりました。

肺炎球菌感染症の疾病負担の格差、不均衡に関する対象を絞った文献レビューの結果(アブストラクト#P-242)
米国の成人における肺炎球菌感染症の臨床的負担および経済的負担に関し、人種、地域、都市部・地方、収入、教育、雇用別の格差および不均衡に焦点を当て、対象を絞った文献レビューを実施しました。特定された4,609の文献(2012年1月〜2024年7月掲載)のうち、12の研究について検討しました。主な結果として、米国では肺炎球菌感染症による負担に格差があり、特に黒人成人や地方在住の成人で顕著でした。詳しい内容は以下のとおりです。

  1. 黒人成人は各人種の中でIPDの罹患率が最も高く、入院期間も最長でした。
  2. 都市部以外に分類された地域では、肺炎球菌感染症による死亡率が高いことが示されました。
  3. 接種率は白人成人より黒人成人で低いことが示されました。
  4. 接種率は収入や教育水準の低い地方在住の成人でも低いことが示されました。

この研究では、肺炎球菌感染症の負担の格差や不均衡について掘り下げるためにはさらなる調査が必要であると結論づけられています。

米国で新たな成人向けPCVを導入した場合の影響を定量化するモデリング研究の結果(アブストラクト#P-58)CAPVAXIVE™とPCV20の米国成人の健康への影響を比較し、評価するモデリング研究を実施しました。このコンパートメントモデルでは、年齢および血清型特異的肺炎球菌ワクチン使用下における肺炎球菌保菌感染について把握し、米国における対応IPDデータに当てはめて調整しました。その上で、このモデルを使用し、小児用PCVワクチン接種を継続した場合に、CAPVAXIVE™およびPCV20が全年齢の成人におけるIPD罹患率全体に与える影響を定量化しました。解析では、乳児における小児用ワクチン接種率を82%、PCV20とPCV15の割合を80:20とし、65歳以上の成人の57%が過去10年にPCVの接種を受けたと仮定しました。

結果は、CAPVAXIVE™とPCV20の両方の使用を継続するとIPDの罹患率が現在より低下した一方、CAPVAXIVE™の使用により、10年後の総症例数がPCV20を使用した場合より少なくなりました(全年齢でそれぞれ33.9%、28.9%低下)。CAPVAXIVE™の接種により、PCV20と比較して成人のIPD症例数が約14,000例減少することになります。CAPVAXIVE™に含有されない血清型については、成人用PCV20を接種した場合と比較して症例数が多くなりましたが、小児用ワクチン接種による成人の間接的な予防により、これらの血清型について現在の数値より継続的な減少が認められました。

CAPVAXIVE™について

CAPVAXIVE™は、18歳以上の成人の侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎を予防する能動免疫の21価肺炎球菌結合型ワクチンとして承認されています。CAPVAXIVE™は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を引き起こす主要な肺炎球菌の血清型に対応するために特化して設計されており、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35Bの8種類の血清型は、他の肺炎球菌ワクチンには含有されないCAPVAXIVE™固有の血清型です。CAPVAXIVE™は1回接種のワクチンです。

CAPVAXIVE™の重要な安全性情報

安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-capvaxive-pneumococcal-21-valent-conjugate-vaccine-demonstrates-positive-immune-responses-in-adults-with-increased-risk-for-pneumococcal-disease/

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌感染症は肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症です。肺炎球菌には約100種類の型(血清型と呼ばれる)が存在し、成人と小児とで異なる影響を及ぼします。肺炎球菌感染症には侵襲性と非侵襲性のものがあります。非侵襲性の肺炎球菌感染症は肺炎(肺炎球菌感染症が肺に限局している状態)などで、侵襲性肺炎球菌感染症は、肺炎球菌菌血症(血流感染)、菌血症を伴う肺炎球菌性肺炎、肺炎球菌性髄膜炎(脳と脊髄を覆う組織層の感染)などがあります。肺炎球菌性肺炎は細菌性肺炎の一種で、成人の肺炎球菌感染症の臨床病態として最も多くなっています。米国における肺炎球菌性肺炎による入院者数は毎年150,000人以上と推定されています。

肺炎球菌感染症の予防における当社の取り組み

当社は40年以上にわたりワクチンによる肺炎球菌感染症の予防の最前線に立ち、あらゆる年齢の人々を肺炎球菌感染症から守るべく取り組んでいます。当社が進めている肺炎球菌ワクチン開発プログラムは、乳児や小児、健康な成人、肺炎球菌感染症に罹患するリスクを有する者といった様々な集団の個々のニーズに対応するように設計されています。小児と成人で疾病負担を引き起こす菌株または血清型が異なっている場合が多いことに注目し、各集団において世界的に最もリスクが高い血清型を標的としたワクチンの選択肢を提供することで、アンメットニーズに対応することを目指しています。当社のパイプラインについて詳しくはhttps://www.merck.comをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。

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