Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA、高リスク早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象とした第3相試験KEYNOTE-522で評価項目の全生存期間(OS)を達成したことを発表
June 21, 2024 3:00 pm ET
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、Merck Announces Phase 3 KEYNOTE-522 Trial Met its Overall Survival (OS) Endpoint in Patients With High-Risk Early-Stage Triple Negative Breast Cancer (TNBC) (https://www.merck.com/news/merck-announces-phase-3-keynote-522-trial-met-its-overall-survival-os-endpoint-in-patients-with-high-risk-early-stage-triple-negative-breast-cancer-tnbc/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、治癒切除不能な進行・再発の胃癌、治癒切除不能な胆道癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。
参考資料
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA、
高リスク早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)を対象とした第3相試験KEYNOTE-522で
評価項目の全生存期間(OS)を達成したことを発表
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、高リスク早期TNBCに対する
化学療法との併用療法による術前薬物療法とそれに続くKEYTRUDA®単独療法による術後薬物療法において
術前化学療法と比較してOSを統計学的に有意に延長した、初めてかつ唯一のがん免疫療法に
KEYNOTE-522試験ですでに報告されている病理学的完全奏効および無イベント生存期間のデータに
新たなOSのデータを追加
2024年5月28日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、第3相試験KEYNOTE-522で、高リスク早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する抗PD-1抗体KEYTRUDA®と化学療法の併用療法による術前薬物療法と、それに続くKEYTRUDA®の単独による術後薬物療法が、評価項目である全生存期間(OS)を達成したことを発表しました。独立データモニタリング委員会が実施した、事前に規定された中間解析により、KEYTRUDA®は、術前化学療法のみと比較して統計学的に有意で臨床的に意味のあるOSの延長を示しました。この試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。この結果は今後の医学関連学会で発表するとともに、規制当局に提出してまいります。
当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGursel Aktan(ガーセル・アクタン)博士は、「高リスク早期トリプルネガティブ乳がんに対する免疫療法ベースのレジメンで、化学療法のみと比較して統計学的に有意な全生存期間が認められたことは今回が初めてであり、重要なマイルストーンです。この画期的な試験で全生存期間が達成されたことをたいへん心強く思います。このレジメンは、良好な病理学的完全奏効と無イベント生存期間のデータによって世界中で承認取得につながっていますが、それをさらに強化する結果です」と述べています。
KEYNOTE-522試験は、早期がんを対象としたKEYTRUDA®のOSのベネフィットを実証する試験として4件目で、このほかに子宮頸がんにおけるKEYNOTE-A18試験、非小細胞肺がんにおけるKEYNOTE-671試験、腎細胞がんにおけるKEYNOTE-564試験があります。
米国ではKEYTRUDA®はTNBCにおいて、「高リスク早期TNBCに対する化学療法との併用療法による術前薬物療法とそれに続くKEYTRUDA®単独療法による術後薬物療法」と「FDAにより承認された診断薬を用いて、PD-L1の発現が認められる(CPS≧10)切除不能の局所再発または転移性TNBCに対する化学療法との併用療法」の2件の承認を取得しています。
当社はさまざまなタイプの乳がんの臨床開発プログラムを実施しています。これには残存病変を有するTNBCに対する術後のKEYTRUDA®単独療法を評価するKEYNOTE-242試験、エストロゲン受容体陽性/ヒト上皮成長因子受容体2陰性(ER+/HER2-)の高リスク早期乳がんに対するKEYTRUDA®と化学療法の併用療法を評価するKEYNOTE-756試験、切除不能の局所進行または転移性ER+/HER2-乳がんに対し当社がKelun-Biotech社と共同で開発を進める抗TROP2(trophoblast cell-surface antigen 2)抗体薬物複合体であるsacituzumab tirumotecan(sac-TMT)とKEYTRUDA®の併用療法を、sac-TMT単独、および医師が選択する治療薬と比較評価するTroFuse-010試験、KEYTRUDA®による術前薬物療法を受け、手術時に病理学的完全奏効(pCR)を達成しなかったTNBC患者さんに対するKEYTRUDA®とsac-TMTの併用療法を医師が選択する治療薬と比較評価するTroFuse-012試験があります。
KEYNOTE-522試験について
KEYNOTE-522試験は、無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03036488)です。2つの主要評価項目はpCR率(根治手術時の病理学的ステージがypT0/Tis ypN0)と、無イベント生存期間(無作為割り付け時から、根治手術不能な疾患進行、局所再発または遠隔再発、新たながん(二次がん)の発生、原因を問わない死亡のいずれかの事象が最初に記録された日までの期間)でした。主な副次評価項目はOSでした。この試験では1,174名の被験者を次のいずれかに2:1の割合で無作為に割り付けました。
- KEYTRUDA®レジメン:術前薬物療法としてKEYTRUDA®+化学療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン)、その後KEYTRUDA®+化学療法(シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン)を投与し、術後薬物療法としてKEYTRUDA®を単独投与(n=784)
- 化学療法+プラセボレジメン:術前薬物療法としてプラセボ+化学療法(パクリタキセルおよびカルボプラチン)、その後プラセボ+化学療法(シクロホスファミド+ドキソルビシンまたはエピルビシン)を投与し、術後薬物療法としてプラセボを単独投与(n=390)
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)について
トリプルネガティブ乳がんは、乳がんの中で最も進行が速く、診断から5年以内の再発リスクが最も高く、他のタイプの乳がんより予後が不良です。乳がん患者さんの約10〜15%がTNBCと診断されています。乳がんにはエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体のいずれかが陽性を示す、またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2)が過剰発現しているタイプがありますが、TNBCではいずれも陰性となります。トリプルネガティブ乳がんは40歳未満の女性、黒人女性、BRCA1遺伝子変異を有する女性に多いとされています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの乳がんおよび婦人科がん研究について
当社は乳がんおよび婦人科がん(卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん)患者さんのアウトカム改善を目指し、研究を進めています。これらのがんを対象とする総合的な臨床開発プログラムを実施しており、KEYTRUDA®の単剤療法および他の薬剤との併用療法を評価する20件以上の第3相試験を当社が治験依頼者となって進めています。米国ではKEYTRUDA®は現在、TNBCについては高リスク早期のものを含む2件の適応と、特定の子宮頸がんおよび子宮内膜がんについては5件の適応が承認されています(詳しくは当社英文リリースをご参照ください)。これらの早期がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの早期がんに対する臨床プログラムについて
がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約30件の承認申請に向けた試験が進行中です。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA® 適応症・用法・用量・安全性情報について
適応症・用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み
私たちは日々、科学的知見に基づき、どのような段階のがんであっても患者さんを救うことができる革新的な新薬の発見に取り組んでいます。オンコロジーのリーディングカンパニーとして、当社は25以上の新規メカニズムからなる多様なパイプラインに支えられながら、科学的な機会と医療ニーズが集束する研究を追求しています。30以上のがん種にまたがる最大級の臨床開発プログラムにより、当社は、オンコロジーの未来を形づくる画期的なサイエンスの発展に努めています。臨床試験への参加、スクリーニング、治療に対する障壁に対処することで、私たちは緊急性をもって格差の縮小に取り組み、患者さんが質の高いがん医療を受けられるよう支援しています。私たちの揺るぎないコミットメントこそが、より多くのがん患者さんの生命を救うという目標の実現に近づくことになるのです。詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトやX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2023年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。