Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA 肺動脈性肺高血圧症(PAH)の成人患者の治療薬としてのSotaterceptを評価する 第3相STELLAR試験の良好なトップラインデータを公開

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2022/10/18 15:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Announces Positive Top-line Results from Pivotal Phase 3 STELLAR Trial Evaluating Sotatercept for the Treatment of Adults with Pulmonary Arterial Hypertension (PAH) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

sotaterceptは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の成人患者の治療薬としてのSotaterceptを評価する
第3相STELLAR試験の良好なトップラインデータを公開

基礎療法への追加療法として、Sotaterceptはプラセボと比較して
運動耐容能および主要な副次評価項目を有意に改善

2022年10月10日:ニュージャージー州ローウェイーMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、開発中のアクチビン受容体IIA-Fc(ActRIIA-Fc)融合タンパク質sotaterceptについて、肺動脈性肺高血圧症(PAH、WHO Group 1)に対して、安定した用量で実施中の基礎療法への追加療法としての安全性と有効性を評価する第3相STELLAR試験で、良好なトップラインデータを発表しました。この試験の主要評価項目であるベースラインから24週時の6分間歩行距離(6MWD: 6-minute walking distance、6分間に歩ける距離を測定)は、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示しました。副次評価項目においては、9項目中8項目で統計学的な有意差が示されました。これには複合的な評価項目の改善(6MWDの改善、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値の改善、かつWHO 機能分類(FC)の改善またはWHO FC IIの維持と定義)を示した患者の割合や、死亡または最初の臨床的悪化イベントまでの時間(TTCW: time to clinical worsening)などがありました。副次評価項目の最終項目(9番目)として評価したPAH-SYMPACT®の認知的/感情的影響ドメインスコアについては、統計学的な有意差が示されませんでした。STELLAR試験におけるsotaterceptの全般的な安全性プロファイルは第2相試験で確認された結果と概ね一貫していました。この試験結果は今後の医学学会で発表される予定です。

当社研究開発本部プレジデントのDean Y. Li博士は、「第3相STELLAR試験においてsotaterceptを既承認の基礎療法に追加投与したところ、主要評価項目であるベースラインから24週時における6分間歩行距離が改善し、顕著な効果が認められました。副次評価項目においても、臨床的な悪化までの時間について良好な結果が認められたことなどは特に注目に値します。全体として、STELLAR試験の結果は、sotaterceptがPAHの治療を大きく変革する可能性を示していると考えています。この治験薬を患者さんにお届けできるよう承認申請を速やかに進めてまいります」と述べています。

 

STELLAR試験について

STELLAR試験(NCT04576988)は、肺動脈性肺高血圧症(WHO Group 1)の成人患者に対する基礎療法の追加療法としてsotaterceptの安全性と有効性をプラセボと比較する、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同並行群間比較第3相試験です。主要評価項目は運動耐容能で、治療の開始後24週時における6分間歩行距離(6MWD)により測定しました。副次評価項目は次の9項目を評価しました。(1)複合項目の改善(6MWDの改善、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値の改善、かつ、WHO FCの改善またはWHO FC IIの維持)を示した患者の割合、(2)肺血管抵抗(PVR)のベースラインからの変化、(3)NT-proBNP値のベースラインからの変化、(4)WHO FCが改善した患者の割合、(5)死亡または最初の臨床的悪化イベントまでの時間(TTCW: time to clinical worsening)、(6)簡易版French Risk score calculatorを用いて算出したリスクスコアにおいて、低リスクスコアを維持または達成した患者の割合、(7)PAH-SYMPACT®の身体的影響ドメインスコアのベースラインからの変化、(8)PAH-SYMPACT®の心肺症状ドメインスコアのベースラインからの変化、(9)PAH-SYMPACT®の認知/感情影響ドメインスコアのベースラインからの変化。

 

肺動脈性肺高血圧症(PAH)について

肺動脈性肺高血圧症は、肺小動脈の収縮と肺循環系の血圧上昇を特徴とする進行性の命に関わる希少疾患です。現在、PAH患者数は推定で米国では40,000人、欧州連合では30,000人であり、現在の標準治療を受けていても速く進行してしまうケースも多くあります。PAHにより心臓に非常に大きな負担がかかり、身体活動の制約、心不全、平均余命の短縮につながります。PAHの5年死亡率は約43%です。

 

Sotaterceptについて

Sotaterceptは肺動脈性肺高血圧症(WHO Group 1)の成人患者を対象として開発が進められている、ファーストインクラスの治療薬として期待されるアクチビン受容体IIA-Fc(ActRIIA-Fc)融合タンパク質です。Sotaterceptは肺動脈壁および右心室リモデリングに関連する増殖促進(ActRIIA/Smad2/3系)と増殖抑制(BMPRII/Smad1/5/8系)のシグナル伝達経路のバランスを回復するよう設計されています。

SotaterceptはPAHの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)のBreakthrough Therapy(画期的治療薬)、欧州医薬品庁のPriority Medicines(優先審査対象)の指定を受けています。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、Acceleron Pharma Inc.の買収により、肺高血圧症領域におけるsotaterceptの排他的権利を取得しています。SotaterceptはBristol Myers Squibbとのライセンス契約の対象です。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2021年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck &  Co., Inc., Rahway, N.J., USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

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