切除不能肝細胞がんを対象としてKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)とLENVIMA®(レンバチニブ)の併用療法とLENVIMA®単剤療法を比較評価した臨床第Ⅲ相LEAP-002試験結果について
August 18, 2022 12:01 am ET
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、Merck and Eisai Provide Update on Phase 3 LEAP-002 Trial Evaluating KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus LENVIMA® (lenvatinib) Versus LENVIMA Monotherapy in Patients With Unresectable Hepatocellular Carcinoma の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)に対する効能又は効果で承認を取得しております。LENVIMA®は、日本ではレンビマ®として、根治切除不能な甲状腺癌、切除不能な肝細胞癌、切除不能な胸腺癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。
注) 条件付き早期承認対象
参考資料
切除不能肝細胞がんを対象としてKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)とLENVIMA®(レンバチニブ)の併用療法とLENVIMA®単剤療法を比較評価した臨床第Ⅲ相LEAP-002試験結果について
2021年8月3日 ニュージャージー州ローウェイ・ナットリーーMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)とエーザイ株式会社は本日、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体KEYTRUDA®とエーザイ創製の経口チロシンキナーゼ阻害剤LENVIMA®の併用療法について、切除不能肝細胞がんの一次治療としてLENVIMA®単剤療法と比較して評価する臨床第Ⅲ相試験(LEAP-002試験)において、全生存期間(Overall Survival: OS)と無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)の二つの主要評価項目を達成できなかったことをお知らせします。本併用療法は、OSおよびPFSについて、LENVIMA®単剤療法に対して改善傾向を示しましたが、事前に設定した統計学的有意性の基準を満たしませんでした。LEAP-002試験では、LENVIMA®単剤療法群のOS中央値が、切除不能肝細胞がんにおいてこれまで同療法に関して報告されている値よりも延長されました。本併用療法の安全性プロファイルは、これまでに本併用療法について報告されているデータと一貫していました。本試験の結果の詳細については、今後の学会で発表する予定です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA研究開発本部グローバル臨床開発担当のバイスプレジデントであるGregory Lubiniecki博士は、「KEYTRUDA®とLENVIMA®の併用療法に関する両社共同の臨床開発プログラムは、肝細胞がんのような治療が困難ながん患者さんのアンメットニーズに応えるようにデザインされています。我々は、これまでに認められた多くのエビデンスに基づき、本併用療法のポテンシャルに自信を持っており、引き続き、多くのがん種における本併用療法の果たす役割を検討していきます」と述べています。
Eisai Inc.オンコロジー クリニカルリサーチ シニアバイスプレジデントであるCorina Ductus M.D.は、「LEAP-002試験では、切除不能肝細胞がんの治療のさらなる改善を目指して、KEYTRUDA®とLENVIMA®の併用療法の比較対照に、標準療法の選択肢の一つであるLENVIMA®単剤療法を選択しました。本併用療法の成績は我々の期待するものではありませんでしたが、本試験から得られた貴重な知見を活かし、引き続き、肝細胞がん患者様への貢献を果たしていきます」と述べています。
LENVIMA®単剤療法は、米国、欧州および中国において、切除不能肝細胞がんの1次治療に係る適応で、日本においては切除不能肝細胞がんに係る適応で承認を取得しています。これらの承認は、切除不能肝細胞がんの1次治療として、ソラフェニブを対照としてLENVIMA®単剤療法の有効性と安全性を評価した臨床第Ⅲ相REFLECT試験結果に基づいています。
本併用療法は、米国において、治療ラインに関わらず全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high: MSI-High)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(mismatch repair deficient: dMMR)を有さない進行性子宮内膜がん、および成人の進行性腎細胞がんに対する一次治療の適応で承認されています。欧州においては、治療ラインに関わらず、プラチナ製剤を含む前治療中またはその後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な成人の進行性または再発性子宮内膜がん、および成人の進行性腎細胞がんに対する一次治療の適応で承認されています。日本においては、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌および根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の適応で承認されています。なお、今回のLEAP-002試験結果は、本併用療法の現在承認されている適応症に影響を与えるものではありません。
両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、KEYTRUDA®とLENVIMA®の併用療法の10種類を超えるがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部がん、胆道がん、大腸がん、胃がん、食道がん、膠芽腫、膵臓がん)における15を超える臨床試験を実施中です。
LEAP-002試験について
本試験(ClinicalTrials.gov, NCT03713593)は、切除不能肝細胞がんの一次治療として、LENVIMA®単剤と比較してKEYTRUDA®とLENVIMA®の併用療法を評価する、多施設共同、無作為化、二重盲検、実薬対照の臨床第Ⅲ相試験です。2つの主要評価項目(デュアルプライマリーエンドポイント)はRECIST v1.1(1つの臓器につき最大5病変、計10病変までの標的病変を追跡するように改変)に基づく盲検下独立中央画像判定によるPFS、およびOSです。副次評価項目には、RECIST v1.1に基づく盲検下独立中央画像判定によるORR、およびDORが含まれます。794人の登録患者は、次の投与群に1:1で割り付けられました。
- KEYTRUDA®(200mg、3週ごとに静脈内投与)/LENVIMA®(12mg[スクリーニング時の体重が60kg以上の場合]または8mg[スクリーニング時の体重が60kg未満の場合]、1日1回経口投与)の併用。
- LENVIMA®(12mg[スクリーニング時の体重が60kg以上の場合]または8mg[スクリーニング時の体重が60kg未満の場合]、1日1回経口投与)/プラセボの生理食塩水(3週ごとに静脈内投与)の併用。
LENVIMA®は、病勢進行または許容できない毒性が発現するまで投与を継続しました。KEYTRUDA®/プラセボの投与は最大で35サイクルまで(約2年)としました。
肝細胞がんについて
肝細胞がんは肝がんのうち、最も発生頻度の高いタイプのがんで、原発性肝がんの9割を占めるとされています。肝がんの新規罹患者数は、2020年に世界で約90万5千人以上と推定され、83万人以上が亡くなったと推定されています。世界では6番目に患者数が多いがんで、がん関連死の主な原因の一つです。日本では、2020年に 4万5千人以上が新たに診断され、2万8千人以上が亡くなられたと推定されています。肝がんのリスク因子には、性別、人種、慢性ウイルス性肝炎(B型またはC型)、肝硬変、アルコール摂取、およびメタボリックシンドロームが含まれます。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,500を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
LENVIMA®(レンバチニブ)カプセルについて
LENVIMA®は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3 や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR) のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4 に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RET などの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能なエーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤です。
非臨床研究モデルにおいて、LENVIMA®は、がん微小環境における免疫抑制因子として知られている腫瘍関連マクロファージの割合を減少させ、インターフェロンガンマ(IFN-γ)シグナル伝達刺激により活性化細胞傷害性T細胞の割合を増加させることで、抗PD-1モノクローナル抗体併用時は、LENVIMA®および抗PD-1モノクローナル抗体のそれぞれの単剤療法を上回る抗腫瘍活性を示しました。
KEYTRUDA®およびLENVIMA®用法・用量・安全性情報について
用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとエーザイによる戦略的提携について
2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA (米国とカナダ以外ではMSD)は、LENVIMA®のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、LENVIMA®について、単剤療法およびMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体KEYTRUDA®の併用療法における共同開発、共同製造、共同販促を行います。
既に実施している併用試験に加え、両社は新たにLEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを開始しました。これにより、KEYTRUDA®とLENVIMA®の併用療法は14種類のがん(子宮内膜がん、肝細胞がん、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎細胞がん、頭頸部扁平上皮がん、尿路上皮がん、胆道がん、大腸がん、胃がん、膠芽腫、卵巣がん、膵臓がん、トリプルネガティブ乳がん)における20以上の臨床試験が進行中です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中 の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトやTwitter、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
エーザイのがん領域の取り組みについて
エーザイは、がん領域において、真の患者様ニーズが満たされておらず、かつ当社がフロントランナーとなり得る機会(立地)として、「ハラヴェン®」(一般名:エリブリンメシル酸塩)やLENVIMA®での経験知を活かした「がん微小環境」とRNAスプライシングプラットフォーム等を用いた「ドライバー遺伝子変異とスプライシング異常」を標的とした抗がん剤の開発にフォーカスしています。これらの立地から新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。
エーザイについて
エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。Twitterアカウント@Eisai_SDGsでも情報公開しています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置などの対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2021年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
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MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Twitter、YouTubeをご参照ください。