MSD株式会社 成人に特化して設計された「21価肺炎球菌結合型ワクチン」の承認を申請
2024/08/09 15:00 Asia/Tokyo
報道関係各位
MSD株式会社
MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、21種類の肺炎球菌血清型に対応し、成人に特化して設計された「21価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)(以下、本剤)」の日本国内における製造販売承認申請を行いましたのでお知らせいたします。
肺炎は日本人の死因の第5位で、肺炎で亡くなる方の97.8%は65歳以上の高齢者が占めています*1。肺炎球菌は、日常でかかる肺炎(市中肺炎)の原因菌のなかで最も多い細菌です*2。また、肺炎球菌が原因となる感染症のなかでも重篤なのが、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)です。IPDは、本来、無菌である髄液または血液等から肺炎球菌が検出される感染症で、発症した成人の22.1%が亡くなり、8.7%に後遺症が残ったという報告があります*3。
成人に特化して設計された本剤は、成人のIPDの原因として多くみられる21種類(3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F及び35B)の肺炎球菌血清型に対応しており、そのうち8種類(15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)は、これまでに承認されている肺炎球菌ワクチンが対応していない、本剤固有の血清型です。米国疾病予防管理センター(CDC)がまとめた2018~2021年のデータによると、本剤が対応する21種類の血清型は、50歳以上の成人におけるIPDの約84%、65歳以上の成人におけるIPDの約85%の原因になっています。また、そのうち本剤固有の8種類の血清型は、50歳以上の成人におけるIPDの約27%、65歳以上の成人におけるIPDの約30%の原因になっており、本剤は従来に比べてさらに広くIPDを予防することが期待できます*4。
今回の承認申請は、成人を対象とした複数の海外第III相試験、国際共同第III相試験、ならびに65歳以上の日本人の成人を対象とした国内第III相試験のデータに基づいており、成人における肺炎球菌による感染症の予防を「効能又は効果」として申請しています。
本剤は、米国では優先審査品目として、2024年6月に成人における肺炎球菌による侵襲性疾患および肺炎を予防する能動免疫の適応で米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しており、同月、CDCの予防接種諮問委員会(ACIP)は全会一致で、成人の肺炎球菌感染症予防に使用するワクチンとして推奨を決定しました。また、現在、欧州医薬品庁(EMA)による審査が行われています。
MSDは、1988年に23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン「ニューモバックス®」を発売し、2023年には沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン「バクニュバンス®」を発売するなど、35年以上にわたり日本の成人および小児の肺炎球菌感染症予防に貢献してまいりました。MSDは、成人に特化して設計された21価肺炎球菌結合型ワクチンの承認取得に向けて取り組むとともに、引き続き日本人の肺炎球菌感染症予防に向けて革新的なワクチンの開発を進めてまいります。
*1 厚生労働省 人口動態調査 2022(令和4)年
*2 日本呼吸器学会. 成人肺炎診療ガイドライン2024
*3 厚生労働科学研究費補助金、新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業、重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析、その診断・治療に関する研究(H22-新興-一般-013)
*4 CDC. 2016-2021 Serotype Data for Invasive Pneumococcal Disease Cases by Age Group from Active Bacterial Core surveillance. March 7, 2024.
以上
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。