KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除不能な進行悪性胸膜中皮腫の一次治療において 化学療法との併用療法群が化学療法単独群と比較して全生存期間を有意に改善 第3相CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験の結果で、併用療法群はPFSとORRも統計学的に有意に改善
June 29, 2023 3:00 pm ET
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Chemotherapy Significantly Improved Overall Survival Versus Chemotherapy Alone as First-Line Treatment for Advanced Malignant Pleural Mesothelioma (https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-chemotherapy-significantly-improved-overall-survival-versus-chemotherapy-alone-as-first-line-treatment-for-unresectable-advanced-pleural-mesothelioma/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。
注) 条件付き早期承認対象
参考資料
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除不能な進行悪性胸膜中皮腫の一次治療において
化学療法との併用療法群が化学療法単独群と比較して全生存期間を有意に改善
第3相CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験の結果で、併用療法群はPFSとORRも統計学的に有意に改善
2023年6月3日:ニュージャージー州ローウェイおよびオンタリオ州キングストン―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)とCanadian Cancer Trials Group(CCTG)は本日、切除不能な進行悪性胸膜中皮腫の一次治療において抗PD-1抗体KEYTRUDA®と化学療法の併用療法を評価する第3相CCTG IND.227/KEYNOTE-483試験の結果を発表しました。本試験の最終解析で、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法群では化学療法単独群と比較して全生存期間(OS)を有意に改善しました。死亡リスクが21%低下し(HR=0.79 [95% CI, 0.64-0.98]; 両側検定p値=0.0324)、OSの中央値はKEYTRUDA®と化学療法の併用療法群では17.3カ月(95% CI, 14.4-21.3)、化学療法単独群では16.1カ月(95% CI, 13.1-18.2)でした。この最新の結果は2023年6月3日に2023年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会の口頭アブストラクトセッションで発表(アブストラクト#LBA8505)され、世界各国の規制当局へ承認申請する予定です。
CCTGのInvestigational New DrugプログラムのディレクターでIND.227試験の上席治験責任医師のLesley Seymour博士は、「悪性胸膜中皮腫は進行してから診断されることが多く、進行してからの5年生存率はわずか12%で、手術で根治させることはできません。この試験ではペムブロリズマブをプラチナ製剤+ペメトレキセドに追加することで、PD-L1の発現状況にかかわらず、全生存期間、無増悪生存期間、客観的奏効率がプラチナ製剤+ペメトレキセド単独と比較して有意に改善しました。このレジメンは進行悪性胸膜中皮腫の新たな治療の選択肢となる可能性があります」と述べています。
当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGregory Lubiniecki博士は、「今回の結果は、KEYTRUDA®+化学療法が、治療の選択肢が限られている進行悪性胸膜中皮腫の新たな一次治療の選択肢となる可能性を示すものです。私たちは、新たな難治性の腫瘍を対象にKEYTRUDA®を評価する広範な臨床開発プログラムや研究を行っています。今回のデータは、その中でも様々な呼吸器がん患者さんのアウトカムを改善する当社の取り組みの結果を示すものとなります」と述べています。
IND.227/KEYNOTE-483試験について
IND.227/KEYNOTE-483試験は、Canadian Cancer Trials Group(CCTG)が実施医療機関となり、National Cancer Institute of Naples(NCIN)およびIntergroupe Francophone de Cancérologie Thoracique(IFCT)と共同で実施する非盲検無作為化第2/3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT02784171)です。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.がKEYTRUDA®を提供し、試験を支援しました。本試験では切除不能な進行悪性胸膜中皮腫の治療においてKEYTRUDA®と化学療法の併用療法を化学療法単独と比較して評価しました。本試験の主要評価項目はOSで、副次評価項目はRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors) v 1.1(悪性胸膜中皮腫向けに判定基準を一部変更)を用いて盲検下独立判定機関(BICR)が評価した無増悪生存期間(PFS)および客観的奏効率(ORR)のほか、安全性、生活の質(QoL)です。本試験の第3相試験パートでは登録患者440名を以下のいずれかに無作為に割り付けました。
- KEYTRUDA®(200 mgを3週間おきに最大35サイクル静脈内投与)をペメトレキセド(500 mg/m2を3週間おきに6サイクル)およびシスプラチン(75 mg/m2を3週間おきに6サイクル、カルボプラチン(AUC 5-6を3週間おきに6サイクル)への変更も可)と併用
- ペメトレキセドおよびシスプラチン(カルボプラチンへの変更も可)のみ
PFSについても、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法群では、化学療法単独群と比較してPFSも有意に改善しました(HR=0.80 [95%CI, 0.65-0.99], 両側検定p値 = 0.0372; PFSの中央値はそれぞれ7.13カ月、7.16カ月)。12カ月の時点における推定PFS率はKEYTRUDA®と化学療法の併用療法群では26%、化学療法単独群では17%でした。ORRについては、併用療法群KEYTRUDA®と化学療法の併用療法群では化学療法単独群と比較してORRが有意に高くなりました(それぞれ62%、38%、p<0.0001)。
この試験におけるKEYTRUDA®と化学療法の併用療法群の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験の結果と一貫していました。グレード3または4の治験薬に関連した有害事象はKEYTRUDA®と化学療法の併用療法群では27%、化学療法単独群では15%に発現しました。KEYTRUDA®併用療法群において最も頻度の高い一般的なグレード3以上の有害事象は、疲労(7%)、悪心(5%)、発熱性好中球減少症(5%)で、化学療法単独群ではそれぞれ6%、1%、1%でした。KEYTRUDA®の投与中止に至ったKEYTRUDA®関連の有害事象はKEYTRUDA®と化学療法の併用療法群の16%に発現しました。
悪性中皮腫について
悪性中皮腫は胸部、腹部、心臓、精巣など体の特定の部位を覆う膜に発生するがんです。2020年には世界中で30,000人以上が新たに悪性中皮腫と診断され、26,000人以上が死亡したと推定されています。肺あるいは胸腔を覆う膜に発生する悪性胸膜中皮腫は、悪性中皮腫の中で最も多く、約75%を占めています。悪性胸膜中皮腫は多くの場合進行が速く、5年生存率はわずか12%です。悪性中皮腫の発生率は米国では徐々に低下しつつありますが、世界各地で悪性胸膜中皮腫を引き起こすアスベストの使用やその曝露が続いており、世界ではこの進行の速い疾患の発生率が上昇しています。
Canadian Cancer Trials Groupについて
Canadian Cancer Trials Group(CCTG)はがん臨床試験の共同研究グループで、抗がん剤や支持療法の第1〜3相試験をカナダをはじめ世界各国の85以上の病院やがんセンターで実施しています。Queen’s Universityに本部を置き、2万人の治験責任医師や治験担当者の国際的なネットワークを通して、6大陸40カ国の10万人が登録する600件以上の治験を支援してきました。CCTGはCanadian Cancer Societyの全国プログラムであり、すべてのがん患者さんの生存率やQoLの改善を目指しています。CCTG IND.227試験はCanadian Cancer Society (CCS)の補助金を受けて実施されました(707213)。詳しくはCCTGのウェブサイト(www.cctg.ca)をご覧ください。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について
用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトやTwitter、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
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MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Twitter、YouTubeをご参照ください。