開発中の経口PCSK9阻害剤のMK-0616、第2b相試験で 高コレステロール血症患者のLDL-Cを有意に低下 MK-0616の忍容性は概ね良好で、プラセボと比較してすべての用量でLDL-Cが低下 第3相試験を2023年後半に開始予定

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March 24, 2023 3:00 pm ET

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s MK-0616, an Investigational Oral PCSK9 Inhibitor, Significantly Reduced LDL-C in Patients with Hypercholesterolemia in Phase 2b Study の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

MK-0616は、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

開発中の経口PCSK9阻害剤のMK-0616、第2b相試験で
高コレステロール血症患者のLDL-Cを有意に低下

MK-0616の忍容性は概ね良好で、プラセボと比較してすべての用量でLDL-Cが低下

第3相試験を2023年後半に開始予定

2023年3月6日:ニュージャージー州ローウェイーMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、高コレステロール血症の成人患者を対象に1日1回経口投与のプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤として開発中のMK-0616を評価した第2b相試験の結果を発表しました。この試験の主要評価項目では、MK-0616を4種類の異なる用量(6、12、18、30 mg)で投与したとき、8週時における低比重リポタンパク質コレステロ―ル(LDL-C)のベースラインからの変化率をプラセボと比較しました。MK-0616はいずれの用量とも、8週時においてプラセボよりLDL-Cが有意に低下し、プラセボ調整後のベースラインからの低下率は41.2%(6 mg, CI 95%, -47.8 to -34.7; p <0.001)から60.9% (30 mg, 95% CI, -67.6 to -54.3; p<0.001)でした。MK-0616の忍容性は検討した4用量すべてで概ね良好でした。このデータは本日、American College of Cardiologyの第72回Annual Scientific Session together with World Congress of Cardiology(ACC.23/WCC)で発表され、同時にJournal of The American College of Cardiologyにも掲載されました。

PCSK9を阻害すると、循環する血液中からのLDL-Cの取り込みが促進されます。MK-0616は環状ペプチドで、現在承認されている注射用のPCSK9阻害剤と同様の生物学的機序を介してLDL-Cを低下させますが、1日1回の経口薬として開発されています。LDL-Cの値が高いまま治療せずに放置すると、心臓発作や脳卒中などアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の発症リスクが高くなります。

Baylor College of Medicineの医学部教授でこの試験の治験責任医師のChristie M. Ballantyne博士は、「スタチン系の薬剤は広く使われていますが、何百万人もの患者さんが依然としてガイドラインで推奨される水準にコレステロールを下げることができず、アテローム性動脈硬化に伴う重篤な心血管合併症のリスクに直面しています。現在使用できるPCSK9阻害剤は高コレステロール血症の治療薬として効果的ですが、注射による投与が必要となります。MK-0616がLDL-Cを最大60.9%低下させることを示す有望なデータが得られたことを受け、同剤を1日1回の経口薬として使用できる可能性について、さらに研究を継続する必要があります」と述べています。

当社研究開発本部グローバル臨床開発担当バイスプレジデントのJoerg Koglin博士は、「今回のデータにより、MK-0616が初の経口PCSK9阻害剤となりうることが改めて示され、LDL-Cのさらなる低下が必要な高コレステロール血症患者さんの治療に変革をもたらすものと期待されます。より多くの患者さんがLDL-Cの治療目標を達成できる可能性があります。今年後半にこのプログラムを第3相臨床開発試験に移行したいと考えています」と述べています。

 

MK-0616の第2b相試験(MK-0616-008)のその他のデータ

MK-0616-008(NCT05261126)は、様々なASCVDの発症リスクを有する高コレステロール血症の成人患者を対象に、MK-0616を1日1回投与したときの有効性と安全性をプラセボと比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第2b相試験でした。被験者はスタチンの併用なしから高強度スタチンの併用ありまで、様々な脂質低下療法を受けていました。有効性の主要評価項目は、8週時におけるLDL-Cのベースラインからの変化率でした。副次評価項目(多重性の調整は実施せず)は、8週時におけるアポリポタンパク質B-100(ApoB)と非高比重リポタンパク質コレステロール(non-HDL-C)のベースラインからの変化率および、8週時において治験実施計画書で規定されたLDL-Cの目標値を達成した患者の割合でした。

アテローム動脈硬化性心血管疾患の発症リスクが中~高リスクの18〜80歳の高コレステロール血症患者381名を、MK-0616 6 mg(n=77)、12 mg(n=76)、18 mg(n=76)、30 mg(n=76)またはプラセボ(n=76)を1日1回投与する群に1:1:1:1:1の比で無作為に割り付けました。試験対象集団は49%が女性、66%が白人、17%がアジア人、6%が黒人/アフリカ系アメリカ人、40%がラテン系またはヒスパニック系でした。

8週時において、LDL-CはMK-0616のすべての用量でプラセボと比較して有意に低下し、この結果は事前に規定した部分集団の間で概ね一貫していました。プラセボ調整後のLDL-Cのベースラインからの低下率は、検討した4用量で以下のとおりでした(いずれの用量もp<0.001)。6 mg:41.2%(95% CI, -47.8, -34.7)、12 mg:55.7%(95% CI, -62.3, -49.1)、18 mg:59.1%(95% CI, -65.7, -52.5)、30 mg:60.9%(95% CI, -67.6, -54.3)。投与2週時までに効果はほぼ最大になり、8週間の投与期間にわたり持続しました。8週時には、MK-0616の全ての用量で副次評価項目の改善もみられました。ApoBの低下率は32.8%(6 mg)から51.8%(30 mg)、non-HDL-Cの低下率は35.9%(6 mg)から55.8%(30 mg)、治験実施計画書で規定されたLDL-Cの目標値を達成した患者の割合は、プラセボでは9.3%でしたが、MK-0616では80.5%(6 mg)から90.8%(30 mg)でした。

MK-0616の忍容性は概ね良好で、いずれの投与群でも16週時における中止率や有害事象に全般的な傾向は確認されませんでした。治験担当医師によりMK-0616との因果関係ありと判定された重篤な有害事象は報告されませんでした。

 

PCSK9およびMK-0616について

PCSK9は、コレステロールを細胞内に取り込むLDL受容体の量を調節し、コレステロールの恒常性を保つうえで重要な役割を担います。PCSK9を阻害することで、PCSK9とLDL受容体の相互作用が妨げられます。その結果、細胞表面のLDL受容体が増加し、血液中からLDLコレステロールを取り除くことができます。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.が創薬、開発するMK-0616は、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロールを下げる初の経口PCSK9阻害剤となる可能性があります。MK-0616はPCSK9に結合し、PCSK9とLDL受容体の相互作用を妨げる環状ペプチドです。

 

高コレステロール血症について

高コレステロール血症は血液中のLDL-Cの値が高くなる疾患で、米国では約7300万人の成人が罹患しています。米国をはじめ、世界中で主な死因であるASCVDの主要な危険因子です。食事への介入やスタチン治療を行っても、多くの高コレステロール血症患者さんでは、ガイドラインで推奨されるLDL-Cの低下目標を達成することができていません。

 

当社の心血管疾患および肺疾患に対する取り組み

当社は長年にわたり心血管疾患の治療薬を開発してきました。60年以上前に初の心血管疾患の治療薬を提供して以来、心血管関連の疾患に対する理解を深め、治療するための研究を進めてきました。心血管疾患は21世紀において今なお最も深刻な医療上の課題の一つとなっています。心血管疾患により、世界中で毎年約1800万人が死亡し、米国では36秒ごとに1人死亡しています。

心血管疾患の治療の進展により世界中の患者さんに大きく貢献することが可能です。当社は創薬から承認取得、ライフサイクルマネジメントまで研究のあらゆる段階で優れた革新的なサイエンスを追求します。心血管領域および肺領域の専門家と幅広く連携し、世界中の患者さんの生活の改善に向けた研究を進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

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