新型コロナウイルス感染症(COVID-19)経口治療薬「ラゲブリオ®カプセル200mg」一般流通開始日のお知らせ
September 8, 2022 12:00 am ET
報道関係各位
MSD株式会社
MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、2022年9月16日から「ラゲブリオ®カプセル200mg」(一般名:モルヌピラビル、以下 ラゲブリオ®)の一般流通を開始することをお知らせします。
ラゲブリオ®は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する国内初の経口抗ウイルス剤として、2021年12月24日に特例承認を取得しました。それ以来、厚生労働省が本剤を所有したうえで、医療機関や薬局などに配分が行われてきています。MSDはさらに迅速にラゲブリオ®を全国の患者さんにお届けできるよう供給能力を増強し、2022年9月16日から一般流通を開始する運びとなりました。薬価基準には2022年8月18日に収載されています。なお、厚生労働省所有のラゲブリオ®の今後の取扱いに関しては、厚生労働省から発出される事務連絡をご覧ください。
COVID-19との闘いが続くなか、早期の検査、診断および投薬の重要性が叫ばれています。一般流通の開始により、医療機関や薬局は、他の薬価収載品と同様に卸売業者を通じてすみやかに本剤を購入することができ、医師が本剤の投与が必要と判断する患者さんに迅速に投与することが可能になります。
なお、本剤は、特例承認のCOVID-19治療薬であるため、厚生労働省所有品および一般流通品に関わらず、本剤の処方に際しては、添付文書の「本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において有効性、安全性、品質に係る情報は限られており、引き続き情報を収集中である。そのため、本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与すること」の記載に従い、担当医師から患者さんへの説明と、患者さんまたは代諾者からの同意書の取得が必要となります。
MSDは、人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもと、ラゲブリオ®を日本全国の患者さんに迅速にお届けできるよう取り組んでまいります。
ラゲブリオ®について
ラゲブリオ®(モルヌピラビル)は経口投与のヌクレオシドアナログの薬剤で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2の増殖を阻害します。
Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgebackの「オレンジ色のコロナの飲み薬」はスウェーデンオレンジ色の不透明のカプセルにMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAのロゴと82が白インクで印字されており、一部の市場ではラゲブリオ®の名称で提供されています。
第3相MOVe-OUTの結果では、ラゲブリオ®の効果に関するベネフィットは、懸念されるSARS-CoV-2変異株、デルタ株、ガンマ株、ミュー株に感染した患者において概ね一貫していました。非臨床試験のデータでは、ラゲブリオ®には変異株であるオミクロン株(B1.1.529)に対する抗ウイルス活性があることが示されています。臨床試験においてはラゲブリオ®のオミクロン株に対する評価はまだ実施されていません。
モルヌピラビルはエモリー大学で発明されました。国際的な懸念のあるウイルス性疾患に対する候補薬の初期段階の開発を進めるためエモリー大学が設立したDrug Innovation Ventures at Emory (DRIVE), LLCがモルヌピラビルの開発を進め、臨床試験実施申請(IND)に至りました。エモリー大学/DRIVEは米国国防総省および国立衛生研究所の研究助成金を受けています。現在、ラゲブリオ®の開発はMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgeback Biotherapeuticsが共同で進めています。RidgebackはMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAから一時金の支払いを受けており、さらに一定の開発および承認取得のマイルストンの達成に基づく支払いを受ける権利があります。この連携から生じる利益は全額、両社で均等に分割されます。Ridgebackによるライセンス供与以降、ラゲブリオ®の開発資金はMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgebackが全額提供しています。
ラゲブリオ®は、無作為化プラセボ対照二重盲検国際多施設共同第3相MOVe-OUT試験において、検査により陽性と判定され、重症化のリスク因子を1つ以上有する、入院していない、症状のある軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症成人患者を対象として評価が行われました。MOVe-OUT試験の第3相試験部分は、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エジプト、フランス、ドイツ、グアテマラ、イスラエル、イタリア、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、ウクライナ、英国、米国など世界各国の170以上の施設で実施されました。MOVe-OUT試験の詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。モルヌピラビルは、曝露後予防として、家庭内における新型コロナウイルスの拡大を防止する効果と安全性を評価する二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験のMOVe-AHEADも実施されています。詳しくは、http://merckcovidresearch.comをご覧ください。
以上
<参考資料>
製品概要
製剤写真
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、 YouTubeをご参照ください。